About "AT通信"
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「遠距離バレンタインデー」---著[レゴルス]---画[ちるね&みかん]---
第一項
エイケルナル大陸、カセドリア連合王国首都アズルウッド壁の区―――。
「ふぅ、3連続戦争はやっぱりきついなぁ」
疲れたようにため息を吐くソーサラーは回復薬を買い足しに道具屋へ赴いた。
「リジェネレート79個くらいで…パワーポットは50個くらいで」
まだまだある手持ちの金を払って回復薬を持てるだけ買った。
「よし、後はいつものように休憩するかな……ん?」
ふと一組のカップルを目にした。
「はいこれ! バレンタインチョコ!」
「お、嬉しいな。コレお前の手作りか?」
「当たり前でしょー。あなたの為だけに作ったのだから」
「はは、照れくさい事を平然と言いやがってー」
カップルの様子を見た彼は今日の日付を確認する。
「そっか…今日はバレンタインデーか……」
彼の名はクロスラード。戦果は悪くても健気に頑張っている三色ソーサラー―――。
所変わって、オーレオール大陸、ホルデイン王国首都ナッツベリー東の区―――。
一人のウォリアーがバンクでアイテムの整理をしながら部隊長のEXITと部隊チャットをしている。
「ベットーン、今日はバレンタインデーだぜー」
「それは知ってる」
本当はベットンといい加減呼ぶなと反論したいのだがもう今更過ぎて最近は反論しないでいる。
「こういう時こそ! そこらの女性達をナンパしまくってチョコゲットを!」
「そんな事より戦争を通してナイトの鍛錬した方がよっぽど有意義だろう」
「ははーん……さてはベットン」
「何だ?」
「一杯チョコ貰われる俺を嫉妬してるな?」
「……ヘビースマッシュ食らいたいか?」
「……ゴメンナサイ調子ニ乗リマシタ」
「判ってるならいい」
部隊チャットが一段落し、一通りアイテムの整理を終えた彼は道具屋へ赴いた。
回復薬を買ってる最中、ふと一組のカップルを目にする。
会話の内容はよく判らないが、男性の方は明らかにプレゼントらしき包みを持って照れ隠しをしてる。
「……」
様子を見た彼は回復薬を買い終えるとその場を後にし、人通りの少ない所に座った。
「バレンタインデー…ねぇ」
鞄から1枚の写真を取り出し、見つめる。
映ってるのは両手武器を携えているウォリアーと杖を携えているソーサラーの男性二人だ。
「元気にしてるかな…あいつ…」
写真を見ながら笑みを浮かべる。と、
「ベットォーーーーーン!」
突然の部隊チャットに驚いて写真を落としかけた。
「何だ急に!」
「ホーク行くぞー。ホークー」
「……はいはい」
写真を鞄に入れ、その場からフィールドアウトした。
彼の名はエルクラード。召喚戦を専門とする両手ウォリアー―――。
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