About "AT通信"
- FEZ内であまり役に立たない情報を、自分達が楽しみながら発信していく「組織」、またはその「情報媒体」です。
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「遠距離バレンタインデー」---著[レゴルス]---画[ちるね&みかん]---
第二項
――ストリクタ大陸、レイブンホード島。
「ライトニングスピア!」
杖の先から放たれる雷の槍は、列を揃えて襲い掛かってくるハーピー達を一斉に倒した。
「ふぅ、なかなか出ないなぁ…」
周りに魔物がいないのを確認してからパワーポットを一気に飲み干す。
カセドリアの三色ソーサラー、クロスラードはここでエニグマボックスを集めていた。
エニグマボックス―――主にハーピー系の魔物が落とす謎の箱。
開けてみるまで中身は誰も知らない。
エニグマボックスから出た品は店で売れば結構な金になることが多いため、金稼ぎ目的の連中も少なくない。
だが、クロスラードは金稼ぎの為に、来たワケではなかった。
「次が来た……!」
新たなハーピーの群れがクロスラードの方へ向かってくる。
カオスロッドをしっかり握り締めながらハーピーの群れを誘導する。
ライトニングスピアで一掃する為だ。
「今だ! ライトニングスピア!」
完璧なタイミングで放たれた魔法はハーピー達を全部倒した。
そのうちの何匹かが箱を落とした。
その箱こそ、エニグマボックス―――。
それらを回収した後鞄の中身を確認すると、もうエニグマボックスで一杯だった。
「よし、もうそろそろ首都に帰ろう」
クロスラードはその場からフィールドアウトしていった―――。
――エスセティア大陸、ホークウィンド高地。
攻撃側ホルデイン、防衛側ゲブランド。この2国の戦争が行われている。
当のエルクラードはナイトで戦場を駆けていた。
「たぁぁっ!!」
先読みで放つ、偏差撃ちディバインスラスト。それは見事に命中し、敵ナイトは倒れていった。
「うし、これで3キル!」
「やっぱすげぇや」
エルクラードの近くのナイトがふと感嘆の言葉を漏らした。
ちなみに例の部隊長だ。
「4キル目行きたいがそろそろ終わるな―――」
その一言の後、戦争終了の鐘が鳴り響き、ナイトの召喚が解かれた。
結果はこちらの勝利。ゲブランドからホークウィンド高地を奪い取れたのだ。
軍団チャット上で「お疲れ様でしたー」という労いの言葉が飛び交う。
「ベットンお疲れーい」
「お疲れ様」
「次ダガー行こうぜ。ダガー♪」
「少しは休ませてくれよ。ナイトは大変なんだぞ…ん、メールが来てる」
エルクラードの反論の途中で誰かからメールが来たようだ。
差出人は―――クロスラード。
渡したい物があるからヴィネル島のガルム遊技場宿屋近くで待っているとの内容だ。
「悪い、急用が出来た」
「えー、ダガー一緒に行こうよー、行こうよーー」
「子供かオマエは」
「そうですと言ったら?」
「アホかっ!」
ため息をしながらボールスヘルムを外す。
「とりあえず、急用が出来たから行ってくる」
「チェー、いってら」
ブーイングする部隊長に背を向け、手をひらひらしながら、彼はフィールドアウトした―――。
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