About "AT通信"
- FEZ内であまり役に立たない情報を、自分達が楽しみながら発信していく「組織」、またはその「情報媒体」です。
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「ただ大切な人と―――」---著[レゴルス]---画[ちるね&みかん]---
第一項
エイケルナル大陸、カセドリア連合王国首都アズルウッド森の区―――。
「うん、僕は元気だよ。兄さんは?」
男性のソーサラーが人混みから離れた位置で個人チャットをしている。
「……ははは、まぁしょうがないよ。勝負は時の運、てね」
会話をしながらしきりに周りに人がいないかを確認している。
「……うん……うん……あ、もう次の戦争行くの? 忙しいね。
うん……分かった。気をつけて行って、兄さん」
個人チャットを終え、ため息に近い深呼吸をする。と、
「まーたお前の兄さんと話してたのか」
「!」
素早く声の方向に向くと、男性のウォリアーが立っていた。
ソーサラーと同じ部隊の一員、永倉豪だ。
「懲りない奴だなー。それで俺らどんだけ苦労してると思ってるんだ」
「……」
「お前のやってる事、どう見られてるのか分かってるのか?」
「……それは君達の見方だろう? 僕はただ―――」
「いいか」
ソーサラーの意見を問答無用だと言うかのように遮るスカウト。
「お前のやってる事は自国の情報漏洩だ。他国の奴と軽々しく話すな」
「―――っ!」
目の前で改めて指摘、断言されたソーサラーはショックを隠せなかった。
だが、反論は出来なかった。
「…さて、ゴブリンフォーク行くぞ。クロス」
「……分かった、豪」
二人はその場でフィールドアウトしていった。
彼の名はクロスラード、クラス『ソーサラー』。現状に苦悩する三色ソーサラー。
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